Nossa nova Catedral !

 日本時間で明日早朝5時に、いよいよ新しいルスがこけら落としとなる。試合が実際に始まるのはポルトガル時間21時45分、それまではマルチメディアを使ったセレモニーがあるという。この試合の中継はRTPでもSporTVでもなく、確かTVI。まあ、リーグ戦じゃないからRTPやSporTVで中継する必要はないし、それは分かるんだけど、やっぱりSICとの仲はこじれたままなんだな、と、1人で納得。この日の試合は負傷中のMantorras、Zahovic、Luisão以外は全員招集。この3人も私服で来るんだろうけど。そういえば、Sampaio大統領、Durão Barroso首相、リスボン市長のSantana Lopesもいらっしゃるそうで。新しいスタジアムはアクセス面でまだいろいろと問題があって(工事の開始が遅れたため、アクセスが完璧になるのは年末なんだって)、混乱しそうなんだけど、まあ、お祭りだと思えばそんなのどこでも一緒だしね。
 maisでは、工事が始まったときから完成して公開練習があった日(1万人も集まったそう)までの写真が見られるようになっていたり、このスタジアムにまつわるいろいろな数字も出ていたり。ということで、うちでも残っている昔のニュースファイルで、このルス建設の経緯をまとめてみようかな、と。最近ベンフィカに興味を持ちはじめて下さった方々(いるのかどうかわからないけど)も、何となく流れが分かるんじゃないかな、と思う。
 最初にスタジアム建設の話が持ち上がったのは、2001年2月13日。UEFA幹部とのヒアリングで、Vilarinho会長が話したのがそもそもの始まり。しかし、これは彼の個人的な意見でしかなく、改修派もいるというなか、フロント内でもなかなか決まらなかった。建設派の意見は「安全面に不安がある」ことと、「改修の方がお金がかかる」こと。改修派の意見は「ルスは国にとっても歴史的建造物である」こと。なかなか意見がまとまらず、最終的にフロントが建設の決定を下したのは約3ヵ月後、5月8日のことだった。
 しかし、フロントではそう決定を下しても、ファンはこれに反対。EusébioやRui Costaも反対派だった。フロントは「建設でなければユーロの誘致を止める」との発言もしていた。なかなか決まらないスタジアム問題に業を煮やしたリスボン市議会から、市営のスタジアムを建設し、イタリアのジュゼッペ・メアッツァのようにベンフィカスポルティング、両クラブのホームとしたらどうかという話も出た。結局、ソシオによる投票が9月28日に行われ、建設が決定。10月1日から工事が開始された。
 そのうえ、工事が始まってからも資金を提供してくれる企業が見つからない。クラブはスタジアムに資金提供をしてくれた企業名をつけると発表したが、それでもなし。市からは建設予定地が市で行っている市街化構想にひっかかるから、補助金を出せないとか言われていたことも。ちょうど市長選挙があって、当選したSantana Lopesが選挙前と言ってることが180度変わってしまったんだよなぁ。最終的に銀行から6000万ユーロを融資してもらうことになったのだけど。
 新しいスタジアムの敷地のほとんどは、ベンフィカの練習用グラウンドだったが、古いスタジアムに重なっている部分もあった。12月17日、古いスタジアムの解体工事がまずその部分から始まる。メインの半分と、メインから見て右側のゴール裏部分を解体。それからも工事を進めながら試合を続けてきた。そして今年の3月22日、サンタ・クララ戦で以前のスタジアムはその歴史の幕を閉じることになった。
 というのが、ひと通りの流れ。私が初めてルスに行ったのは昨年の2月だし、その時は既に取り壊し工事が始まっていたから、他のベンフィキスタほど思い入れはなかったけど、それでもあの小汚いスタジアムが大好きだった。サンタ・クララ戦が終わったときは、ちょっと感傷に浸ってしまったけど、でも思い出が消えるわけじゃない。今は新しいスタジアムを、早く見てみたいなぁと思う。
 うわ、また長くなってしまった...。早起きしないといけないのに。